気がついたら一ヶ月以上が経ってます、コロナのおかげで緊急事態宣言が発令され、様々な業界で活動自粛を余儀なくされた5月の最中。命がコロナの危険にさらされている中最前線で戦う医療従事者への感謝とエールを伝えるべく、国内外で「ブルーライトアップ」が行われているのはこの記事を読んでいる皆さんも周知かと思います。
ブルーライトアップとは
新型コロナウイルスの感染が拡大する中で治療にあたる医師や看護師、介護や福祉の現場で感染リスクと向き合いながら最前線で働く人たちへの感謝の気持ちを表現するためです。
毎日新聞「質問なるほドリ」より – https://mainichi.jp/articles/20200503/ddm/003/070/037000c
市原市・五井駅前にあるコワーキングスペース「Co-saten」も例によってその煽りを受け、4月・5月の2ヶ月間はお店を開けずにスタッフ各位もリモートで業務に当たっておりました。
そして輝くウルトラソウルッ \\ ハァイッ!//
Contents
やることになったきっかけ。
危機に瀕したエンタメ産業
思い起こせばもう記憶が薄くなってますが調べながらこの辺は記述してみます。
参照:特設サイト 新型コロナウィルス時系列ニュース|NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/chronology/
2月に入ったところで一つの大きなニュースが日本中を震撼させたと思います。ダイヤモンドプリンセス号というクルーズ船が、コロナウィルスに感染した乗客を乗せて横浜港に入港したと。
それ自体は騒がれなかったかもしれませんが、それが引き金となり瞬く間に日本中にウィルスが蔓延し出し、未曾有の大災害ではありませんが、流行してしまったのは皆さんも周知の事実かと思います。
その結果、多くの人が密集するようなイベント・催し事はもちろん、人々の働き方・生活の仕方に大きな制限がかせられました。
先述の通り、イベント・エンタメ業界は大きな打撃を受けました。3月中に予定されていた星野源のアリーナライブや米津玄師のライブも中止になり、ネット界隈は大騒ぎに。しかし、そのバックで音響や照明、イベントプロモーターなど多くの人が打撃を受けていることも忘れてはいけませんね。
飲食業や対人での接客が発生するサービス業は大きな打撃を受けたコロナウィルス、その陰でライブハウスなど文化・芸術に関係する産業が徐々に淘汰されていった、そんな感覚を僕は覚えていました。もちろん、文化・芸術関係の産業以外が大事じゃないなんてことはないので誤解がないように噛み砕いて読み進めてもらいたいんですが、それにしても蔑ろにされすぎじゃねえかな日本て国は、おっと、誰か来たようだ。
僕が大学生の頃から大変お世話になっていた音響・照明の業者「有限会社ウェーブワン」さんも例外ではなく、まさしく当事者となってしまっていたわけです。
聞くところによると2020年3月以降の現場案件が大幅になくなってしまったとか。もちろんこの現象はこの会社に限らず他の音響業者や舞台関係の業務に携わる会社にも例外なく起きてしまっていました。
地域レベルから発信する感謝とエールのカタチ
そんな最中、医療従事者の方々は休みなくコロナウィルスと最前線で今もなお戦い続けてくださっています。なんだったらウィルスに対抗するべく日や勧められているワクチンの開発も来年まで続くというくらい熾烈を極めているかと思います。
僕は頭がいいわけではないので、どれだけの苦労をされているのか計り知れないですが、ただただ頭が下がるばかり。
そんな医療従事者の方々への感謝とエールを伝えるべく、界各地で「ブルーライトアップ 」という取り組みがなされてきました。
先述の通り、私も運営に関係している千葉県市原市の五井駅前にちょこんとたたずむコワーキングスペース「Co-saten」は4月から6月のコロナの期間中はお店自体をお休みということにしておりました。
ただ、お休みをしている間でも当然家賃は発生しますし、コロナだからといって中身まで休んでもいられないというのが世の常だったりします。
そんな最中にウェーブワンさんからお声掛けをいただき、地域の草の根から医療従事者への感謝とエールを込めたものを発信しようということに発展。
もちろん普通にライトアップするだけでは面白くないので、co-satenらしさということで「地域のカルチャーのこと」「地域の飲食店のこと」、そして今回協力いただいているウェーブワンさんを取り巻く「エンタメ産業のこと」、これらを生配信をしながらやってみよう。ということになりました。
実際にやってみた
リハでわかる面白さと異世界感
実施までのスピード感は結構早かったような感覚があります。もうここまで時間が経ってるとそりゃ記憶が曖昧になる。
- 発案から打ち合わせ:1週間
- 打ち合わせから現地リハ兼下見:1週間
- リハから本番まで:1週間
こうしてみると発案から3週間で実施という感じですが、なんかあっという間だったなー。なんだかんだで楽しかったからなのかもしれないけど。
リハーサルではシンコープラザをどのように照らしたらいいかということで8灯のLED PARライトと2灯のLEDバーのライト、そして1灯のムービングライトを用いてのテスト。
おぉ….。
普段のシンコープラザからすると様変わりの仕方がすごい色味になってしまってもう突っ込みどころが多くて語彙力を失う。
リハでこの光量ですが、本番はもっと増えます。ということで仕込み図はこちら。今回は許可を得て公開させていただきます。現場の下調べをしてお客様のニーズをしっかり把握し最適の提案をしてくださるウェーブワンさん本当にありがとうございました。
商店街にところせましと置かれた照明機器
そして本番当日。この日は昼過ぎくらいには現地入りをしてそこから仕込みを始めたわけです。当日はwave1チーム2名にプラスしてビデオグラファーの宮原くんにも参加してもらいました。おかげさまでいい記録が残っております。ありがとうございました。
凄まじい量が来たなおい。
仕込み図が送られてきた時点で察してはいましたが、こうして見てみると圧巻。もちろん、他の現場案件に比べればこんなの少ないの部類に入るわけですが、co-saten史上一番床の占有率が上がった瞬間だと思います。
これを仕込み図に沿って配置していくわけです。
世間から「なんでもできる系男子」みたいな言われをするみぎたですが、照明は実際のところ専門外です。でもせっかくやれるんだからみようみまねでやってみるべ。ということで仕込み図を見ながら灯体を置いていく。というくらいはなんとなくできるのでやってみる。という感じ。
やっている内に「あー、なるほど、こういうことなのね」となる。
そして時間が経つにつれて、シンコープラザの中はすごく変な雰囲気になるわけですね。Afterがこんな感じ。
青い。蒼い。
[Best_Wordpress_Gallery id=”3″ gal_title=”bluelightup”]とまぁ、こんな感じで、普段は蛍光灯と提灯の明かりしかなかった空間が綺麗な青に染まったわけです。床にも天井にも。
地域のカルチャーの今を話す
せっかくこんな素敵な空間ができたということで、情報発信もしっかりしていくべきだということで、2時間ほどのプチプログラムもやってみました。
文化というのは人が集まることで共感性を生み、それが生きるには重要なポジションになっているのは皆さんも感覚としてご理解いただけると思いますが、例えば音楽であればライブハウスなど特定の空間に人を集めて披露をする。というわけで密になってコロナのご時世では淘汰されてしまっていたりします。
イベントものもまさにその例に当たっており、トークイベントについては徐々にzoomなどのオンライン会議ツールを用いて、遠隔地でも実施可能になってきましたが、まだまだ浸透しているわけではありません。
そんな中で、自らも文化の発信拠点として、日本に数少ない「カセットテープの専門店」を営んでいる「ゴヰチカ」の店主である庭師の武田さんにお越しいただき、つらつらとこのコロナの状況について喋っていただきました。
飲食店の今を話す
コロナ禍において様々な業界が大きな打撃を受けてしまったのは皆さんも周知の事実かと思います。日々ワイドショーやニュース番組では飲食店の悲鳴が報道され、今もなお苦しみ続ける飲食店が多くあるかと思います。
市原市でも何かできないだろうかと、co-satenを中心とした市原市で活動をする若者が集まり一つのクラウドファンディングを立ち上げました。
https://camp-fire.jp/projects/view/268125
新型コロナウイルスで影響を受けた千葉県市原市の飲食店のためのクラウドファンディングです。参加店舗共通のチケットを作り、早急な資金支援とコロナウイルスが終息したらお店に食べに行くことやテイアウト時のお店で支援チケットでお店を応援できるプロジェクトです。
市原市飲食店応援プロジェクト – Campfireクラウドファンディングページより引用
https://camp-fire.jp/projects/view/268125
このプロジェクトは、前売りのお食事チケットを支援者に購入してもらい、緊急事態宣言が解除されコロナ禍が落ち着いた頃に購入してもらったチケットを使ってもらい、また飲食店でお食事をしてまち全体を賑やかにさせよう。という試みでした。最終的にはプロジェクト終了までに600万円を超える金額を集めることができ、成功のうちに収めることができました。
このイベントを行なっている最中はまだクラウドファンディングが実施されている段階だったため、トークの最中はシンコープラザに入っている飲食店の料理を紹介し、プロジェクトへの参加を求める内容を紹介しました。
エンタメ産業の今を話す
飲食店は緊急事態宣言を受けて営業時間を削ったり休業をしたり店舗内の座席数を減らすなどの行動を余儀なくされたわけですが、もちろん影響を受けたのは飲食店だけではありません。
今回のブルーライトアップの試みをいのいちばんに提案いただいた「有限会社ウェーブワン」も大きな影響を受けていました。
お話を社長である古川さんに伺うと、2月以降から6月にかけて音響照明の現場案件がほとんどなくなってしまい、売り上げも激減してしまったということでした。しかし、そんな中でも賢明に活動は続け、自分たちにできることはしたいし、何よりも医療従事者の方々へのエールを送ることは私たちにもできるということで、エンタメ産業の方向転換をしつつも必死に生き残ってまたみんなでお祭りなどワイワイできる日が来たらいいなと願いのコメントもいただきました。
また、楽器店も営むウェーブワンさんはクラウドファンディングも実施中。是非チェックしてみてくださいね。
明日ハレの日ケの明日という言葉があるらしいですが、例によってこれも非日常の出来事。その日が終わればいつもの日常の姿に戻ります。
終電ギリギリまでかかった撤収作業。
今回は医療従事者へのエールを送るという大きなお題目があったわけですが、この試みに対してワクワク感を覚える人が果たしてどれだけいるんでしょうか?この試みに対してマネタイズをしっかり考えようと動く人・動く経営者が果たしてどれだけいるでしょうか?
世間的にあまり価値を認識してもらえない音響照明などの舞台裏方の職人仕事。それと同じように、もしかしたらそれ以上に価値を認識してもらえていないであろう映像の制作や配信の現場。
YouTuberを台頭に現代社会では映像の制作へのハードルが落ちてきていて誰でも動画の製作者になれ、配信に関しても安価な機材が業界を轟かせ、プロと素人の境目がだんだんなくなってきているのも事実。
ここまで懲りずに読んでくださっている人にはわかるかもしれませんが、僕らはそれに対してセンスや感覚、確かな技術で勝負をしています。見積もりを出して「高い」と思われても高いなりの理由があるんです。
経営者的にはリスクヘッジや利益のための予算上乗せ的な意味合いがあったりしますが、これはどの業界にも限った話ではありませんが、プレイヤーはそのうちどれくらいの割合で恩恵を受けていると思いますか?
一番最初に話を戻しますが、日々コロナと最前線で戦う医療従事者の方々へ、ありがとうと強い感謝の意を込めてのこの企画でしたが、同時に、裏方プレイヤーがどれだけ苦労をして、どれだけ汗を流して、どれだけ人々の心にその情景を焼き付けられるのか、そしてどれだけ人々の心を動かすことができるのか。
最後に、どれだけ人々が無関心なのか。
いろんなことを考え流ことができた夜でした。ありがとうございました。
技術協力:有限会社ウェーブワン
撮影協力:Koki Miyahara
機材協力:武田屋作庭店 / ゴヰチカ
場所提供:Co-saten シンコープラザ内